2023年5月21日日曜日

平野セミナー勉強ノート(第3回)

平野セミナーで実際に行われた添削の一例を紹介します。 


(原文)

近年では、Eメールの受信時やウェブサイトの閲覧中は、フィッシングに警戒している人は多い。しかし、SMSはそれほど危険視されていない。


(生徒訳)

Recently, many people have become aware of phishing in receiving e-mails or viewing websites. However, people tend to be off guard toward SMS.


あなたなら、上記の生徒訳をどう修正しますか?

考えてから、下の方にスクロールして回答編を見てください。













(問題点を考える)

1.前置詞句in recieving~が、前のどの部分に係っているかが曖昧である。phishingに係っていると解釈してしまうと、「メール受信中のフィッシング」となり、意味がおかしくなる。

2.Howeverが先頭にあること自体は問題ないが、一般にhoweverが先頭に出てくると、前の文章の何が否定の対象となっているのか(次に何が対象とされるのか)がすぐに分からないこと(流れが分からない)。


(修正訳)

Recently, many people have become aware of phishing, and they are cautious when they receive e-mails or view websites.  When it comes to SMS, however, people tend to be off guard。


(修正訳のポイント)

1.一文目を二文に分けることで、文意がはっきり定まる。意識(aware)+注意(cautious)で「警戒」の意味になる。

2.When it comes to SMS, however,~として、SMSとe-mail及びwebsiteが比較されていることが早く分かるようにする。話の流れが分かりやすい。


2023年5月12日金曜日

Introduction of Osaka Society for Technical English Communication (OSTEC)

Osaka Society for Technical English Communication (OSTEC) is an English study group in Osaka.  Our purpose is to study technical writing in English.  Our main activity is a monthly seminar for studying English technical writing with Mr. Hirano (English technical writer/translator).  We also have a monthly study meeting for translating articles of Scientific American into Japanese and discussing them among OSEC members.

2023年5月4日木曜日

平野セミナー(英文ライティングの実践講座)についての私的感想

                                 渡辺 尚

 1.平野セミナーの面白さ

 ・自分の英語ライティング力を高めたい(効果的な英語を書きたい)!という人のためのセミナーのように感じています。英語力ライティング力向上のために重要なことは多くあるでしょうが、平野セミナーでは下記のことが得られます。

 1)単語、表現、文脈、文章の目的(読者)等の様々な要素を考慮して適切な表現を選択すること

 平野先生が、懇切丁寧な解説で「効果的な英語」の作成方法を教えてくれます。

 Oさん『先生の解説は、日本文自体の曖昧さの解説から、英文にしたときの語感の解説にまで及びます。毎回、出席するたびに新たな発見があり、まだまだ勉強したいと刺激をもらっています。』

 Mさん『日頃から疑問に思っていた、似たような単語の意味の違いや文法上の留意点など、明快にわかりやすく教えて頂いて毎回目から鱗が落ちます。』

 そして、平野セミナーでは、実際のトレーニングとしては、下記が行われます。

 2)英語を自分で書いて、それを添削してもらうこと

 平野セミナーでは、各自が書いた英文を平野先生が目の前で添削してくれます。自ら書いた英文の問題点(英語としては効果的ではない表現等)を指摘されることで、効果的な英語ライティングを身につけることができます。

 作成する英文は短いですけど、ご安心あれ。平野先生は隅から隅まで突っ込んでくださいますから。『満点でしたー、ハイ終わり』ということはないと思いますよ。

 他の参加者の前で自分の書いた英語が直されるというのは少しドキドキしますが、慣れたら大したことはありません(笑)。また、平野先生は元の英文のなかで活かせるところは活かした形での変更を教えてくれますので、優しいなーと私はいつも思っています。。

 上記について平野先生の回答(2023/5/20追加)

 「いやー、それは全てを否定すれば、授業は簡単ですよ。優秀答案を見せて、このようにして下さいと言えばいいんですから。でもそれでは授業の意味はないですよね。どんな回答に対しても、回答者の発想や視点(なぜその人の回答がそうなったかを)を考えます。そして、それをどのように活かすか、発展するかをその場で説明していきます。そうすることによって回答者も初めて自分の英語を見直して、次から改善できるようはずです。」


 3)他の参加者の英語を見て、自分の英語と比較すること

 平野セミナーでは、他の参加者が書いた英文を見ることができます。同じ教材に対する異なるアプローチを見ることができて、勉強になります。

 Mさん『工夫のこらされた参加者の皆さんの文章を見せていただけるのもとても楽しみです。』

 

2.平野セミナーでのグループワーク *数回に1回の割合で採用

1)グループワークの概要

 ・グループワークとは、参加者がいくつかのグループに分かれて話し合いを行い、同じ課題についての一つの回答を作成する勉強方法です。

 ・形態としては、例えば、下記のようなものがあります。

 A) 前もって与えられた課題の解答を各自が前もって作成しておき、当日グループ毎で話し合います。

 B) 当日いきなり課題を与えられて、その場でグループ毎に英文を作成します。

 C) 前半で通常の添削が行われ、後半でグループワークを行います。後半では、前半で先生から教示があった一連の文章における『英文作成へのアプローチ』を適用することが指示されます。

2)グループワークについての感想

 ・その場で英語が思いつかなかった時や、思いついても自信を持って他のメンバーに自分に英文を提示できなかった時は、つらかったです。。。しかし、このように頭を絞り尽くして英文を考えるというのは貴重な経験だと思いますよ。

 ・瞬間的にその場で英語が出てくる人、上手にみんなの意見をまとめる人、分かりやすく提案英語を説明できる人に接することができ、興味深かったし、勉強になりました。

 ・シンプルな英語の良さを強く感じました。複雑な構文や表現を採用すると、その後の変更が難しくなります。しかし、骨格がシンプルな英語であれば、様々な意見に対してフレキシブルに対応できます。

 ・個人的には、上記のC)が面白かったです。前半で先生から教えてもらったアルゴリズムを身につけ(ぼんやりですが)、それを後半に他の人と協力しながら実践に移す。脳の使い方の訓練になっているような、、、(まあ、何を言ってるか自分でも分かりませんが、とにかく不思議面白経験だったんですよ!)

 

3.オフライン(リアル)vsオンライン(ネット)

 コロナ禍でオンラインでの会話や授業がかなり普及しましたね。OSTECでも2年半ほどオンラインでの勉強会が行われました。オンラインで勉強会も結構便利でしたよね。案外使えるなという印象もありました。時間の節約になりますしね。

 一方でパソコンやスマホの画面を見て勉強するのは苦手という方もおられたのではないでしょうか。私はそんな風に感じるところもありました。緊張感がなくなって、力が抜けてしまって、、。

 オフライン(リアル)の良いところは、先生や周りのメンバーの顔色(真剣なのか、軽く受け止めて良いのか)、雰囲気(盛り上がっているのか、盛り下がっているのか)が、オフラインより正確に分かるところでしょうか。また、近くにいる人に気軽に声をかけたり、かけられたりできることも重要な点ですね。オンラインでは、そこまで気軽にコミュニケーションを取れませんよね。

 特に、前述のグループワークに関しては、オフライン(リアル)の方が柔軟な対応・密なコミュニケーションができていいですね(オンラインでのグループワークも可能ではあるのですが。。)。

 現在の平野セミナーはオフラインで実際に顔を合わせて勉強をすることの良さを最大限活かせるように工夫されていますので、この活動を長く続けていきたいです。

2023年5月1日月曜日

平野セミナー勉強ノート(第2回) mistake

 

平野セミナーで学んだ英語表現(会員が、セミナーで学んだこと、触発されて自分で調べたこと、考えたことをまとめたノートです)

第2回はmistakeです。

日本人にとっては(私にとっては?)、語法が難しい動詞です。
mistake <間違った対象> for <正しい対象>が、正確な用法です。
以上より、下記の文章が成立します。
He mistook a UFO. 彼は間違ってUFOと思った。
He mistook a UFO for a balloon. 彼は気球をUFOと思った。
他の例文です。
They are so alike that you would mistake his brother for him.
We're mistaking an alien craft for balloons.
受動態になると、一瞬、どっちがどっちか分からなくなります。。(汗)
The noise was mistaken for a gunshot. 銃声だったのだけど、騒音のように聞こえた。
"A signal buoy was mistaken for a lighthouse," he said. 間違えて信号ブイを灯台と思った。
substitute も同じ語法で、使い方が難しいですね。
substitute <代用のもの> for <本来のもの>が、正確な用法です。
以上より、下記の文章が成立します。
The coach substituted a rookie player.監督は代わりに新人選手を使った。
The coach substituted a rookie player for the injured veteran. 監督はケガをしたベテランの代わりに新人選手を使った。
これまた、受動態になると、一瞬、どっちがどっちか分からなくなります。。(汗)
Smaller planes have been substituted for larger ones on virtually all routes. ほとんど全てのルートにおいて、大きな飛行機の代わりに小さな飛行機が使われるようになった。
Powdered milk has been substituted for whole milk and a juicelike drink for real juice. 粉ミルクが全乳に取って代わり、ジュースぽい飲み物が本物のジュースに取って代わった。
ここで問題です。下記の英文は非文になっています。どこがおかしいかを考えてみてください。
A fake website will appear that you would mistake the true one.
関係代名詞を普通の文章に戻してみると、
You would mistake the fake website the true one.になりますが、mistakeの語法からすれば変な文章になっていることが分かりますね。
You would mistake the fake website for the true one.というように、forが必要です。
というわけで、
A fake website will appear that you would mistake for the true one.が正しい文章になります。

平野セミナー勉強ノート(第1回) impersonate

  平野セミナーで学んだ英語表現(会員が、セミナーで学んだこと、触発されて自分で調べたこと、考えたことをまとめたノートです)

第1回は、impersonateです。

日本語にすれば、(詐欺目的)で<人>になりすます、装う(ジーニアス英和辞典第6版)の意味があります。

この意味でよく使われる目的語として、a police officerが多くの辞書に出ています。「警官を装って詐欺を行う」という意味ですね。警官の代わりには、市役所の人、銀行員、消防署員(消防署の方から来ました。。)なども使えそうです。

impersonateの中にはpersonがあることから、別の「人物」になるというのが原義です。

次に日英翻訳の場面で、「なりすます」をimpersonateに訳すのが適切であるか否かという問題を考えてみます。電話や訪問で偽の銀行員が連絡を取ってきたときは、impersonateが使えますね。それでは、偽アマゾン、偽Yahoo、偽銀行からのEmailの場合はどうでしょうか?

銀行からの偽メールが来た場合に次のような英文は適切でしょうか?

Attackers impersonate your bank or, credit card company.

上記の文章をでは銀行やカード会社を擬人化していることになりますが、やや無理な感じがします。

この場合、下記のように「人」を出す方が英語としては自然な表現と考えられます。

Attackers impersonate a staff member of your bank or your credit card company.