2024年12月9日月曜日

英文リライト演習(5月英訳セミナーより)

英文リライト演習(5月英訳セミナーより)

 課題:無駄の多い和文と、直訳で問題の多い英文です。簡潔で内容が正しく伝わる英文に修正してください。

 付属の充電器をお使いの場合、本機の充電残量表示が20%から満充電の80%になるまでの時間は、状況によって変化しますが、おおよそ30分ほどです。

In the case you are using the attached charger, the time that the charge remaining amount display of this device becomes 20% to 80% of full charge is, although it changes by the situation, approximately 30 minutes or so. (!?)

 

英文のリライトをするわけですが、まずは和文の整理です。

上記日本語の無駄なところや意味が重複しているところを整理してみましょう。

 ・充電残量表示→表示と実際の充電のパーセンテージは同じはずなので、「表示」はいらない。

・充電器をお使いの場合→充電器では

・「おおよそ」と「ほど」は、意味が重複している。

・満充電の→100%が満充電なので言う必要なし。「80%が満充電」だという勘違いにもつながる

。満充電が80%ということもあるかもしれないが、いずれにしても20%から80%でよいので不要。

・状況によって変化しますが→「状況によって変わることもありますが、これが普通ですよ」と言いたかったのでは。「通常は」に変えればコンパクトになる。

・なるまでの時間は→30分が時間以外のことはないので「なるまでには」でよい。

 

上記のような意見が参加の皆さんから出されました。これらをまとめて日本語を書き直すと

付属の充電器では、充電残量が20%から80%になるのは、通常は30分ほどです。

 

では、これを英語にしましょう。なのですが、この日本語、意外と英語にしづらくないでしょうか?日本語らしい表現というのは、英語への構文の置き換えが結構やりづらいそうです。ですので、情報量はこの状態で、英訳しやすい日本語にする必要があります。主役は充電器ですので、これを主語にして日本語を書き直してみましょう。

 

付属の充電器は、本機を20%から80%まで充電するために、通常は30分ほどかかります。

「充電するために」を「充電する」とすると、より簡潔になりそうです。

付属の充電器は、通常は30分ほどで、本機を20%から80%まで充電します。

 

情報が整理され、かつ英訳しやすい日本語になりました。これを英訳すると

Normally, it takes about 30 minutes for the supplied charger to charge the device from 20% to 80%.

 

元の英文と比べると、非常にスッキリとした読みやすい英文になりました。これをよりシンプルに書けるでしょうか?付属の充電器を主役にして英訳してみましょう。

→The supplied charger charges the device from 20% to 80% in typically around 30 minutes.

 

更に簡潔になりました。

 英文をリライトする際は、いきなり英文を修正するよりも、このように元の日本語をある程度英訳しやすい日本語に直した方が効率が良い、とのことです。平野先生は翻訳の際も、意味が取りづらい日本語は、同様の方法で英訳しやすくしてから翻訳されるそうです。

「原文の日本語の意味が取りづらい」のはいつものことなので、この方法を実際の業務でも試してみたいと思います。

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