大阪工業英語研究会の紹介

平野信輔先生からのメッセージ

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2025年7月19日土曜日

2025年7月 平野セミナー 海洋酸性化 (2)

7月の平野セミナーでは、まず前半で6月課題の「海洋酸性化」の続きを取り上げました。

今回は藤田のノートから、研究会で印象に残ったディスカッションポイントを紹介します。


“転換期”は英語で何と言うか? 

watershed はポジティブ・ネガティブ両方の意味合いがある。
あるいは turning point よりも、tipping point という表現が海洋酸性化の文脈では合う。
tipping point は「崩壊」や「危機的状況」を暗示する。
大きな転換点、臨界点に達して、あともどりできない場合に使うため、今回の課題には適した表現。

“have already faced” vs “have already been facing”

「already」が付くと完了形の意味で「終わった経験」を示唆することがあるため、継続的な状況を表すには have already been facing が適切。動作動詞であれば進行形も可だが、状態動詞は稀。

“exceed” の類義語

「outpace」=速度・勢いで上回る
「outweigh」=重要性・影響で優位になる
文脈に合わせて使い分けると説得力が増すようです。

open/closed vs open/close

open / closed は形容詞(状態)
open / close は動詞(行為)。
「店は開いている」なら open、 「店舗を閉める」なら close と使い分ける。

coral vs corals

coral: 珊瑚礁、珊瑚という素材
corals: 珊瑚虫

Clear vs Conciseの重要性

clearを犠牲にしてまで、conciseにする必要はない。
conciseにすることでclearさが失われるなら、オーソドックスな英文にしていく。

Not only A but also B の情報の順番

情報の登場順番としては A→B が自然なので、Bが新情報になるほうが自然。
but also Bの位置に前に言っていたことを位置させると話が戻ってしまって読者が混乱しやすい。
そういった局面では not only ... but also を諦めて and にすると話が見えやすくなる。

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6月、7月と2ヶ月にわたって海洋酸性化の課題が取り上げられましたが、英文和訳の際の難所、それを乗り切るコツ満載の素晴らしい講義でした。

平野先生いつもありがとうございます。

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